設立趣旨
人が生まれて来た意味はみな同じである。障がいは誰のせいでもない。事故や病気は誰にでも起こり得る。人はみな死に向けて老いる。
優勝劣敗の競争に価値をおくこの社会において、障がいをもって生まれた人、事故や病気で障がいをもつことになった人、老年期に障がいをもつことになった人、および、その家族が安心して幸せに暮らすことは容易でない。健常といわれる子どもや大人が、社会に適応できない場合も少なからずある。
人は関係の中で生きる。人間の価値は、その人がもつ能力そのものでなく、その人がもつ関係の質に置かれるべきである。競争に基づく関係でなく、共生に基づく関係にこそ価値がある。私たちは共生関係に価値を置く社会を望む。
私たちは、障がいをもつ人から渡される豊富なものの存在を社会が認識し、人々がそれらを宝物として共有することが、共生に基づく関係へ至る一つの道筋と考える。そのために、障がいをもつ人を中心とした、文化芸術活動、研究活動、社会教育活動、および、心理カウンセリングなどの支援を行う。このような活動を通し、障がいの有無にかかわらず、また地域、国内、国外を問わず、広く交流を深め、人々がより良く生きる社会の実現に貢献したい。
以上の趣旨により、ここに特定非営利活動法人
海から海へ を設立する。
2003年10月7日
特定非営利活動法人海から海へ
理事長 阿部公輝